関西菌類談話会講演会 「きのこ-モグラ学と関西菌類談話会・幼菌の会―たかがきのこの発生情報がいかに深化したか― 」
2026-04-18
大阪府 大阪市
演者の相良直彦(京都大学名誉教授・関西菌類談話会会員)からいただいた要旨を以下に掲載します。
きのこ-モグラ学はささやかではあるが日本特産の学問であり、1976年9月26日、日本菌学会関西談話会(のちの関西菌類談話会)の採集会(京都・大文字山)において始まった。その会で、ナガエノスギタケとアシナガヌメリとが採集されたのである。その当時はナガエノスギタケダマシとナガエノスギタケとを混同していたという「幸い」もあり、きのこの下を掘ってモグラの巣に出会った。その後、主として関西菌類談話会および幼菌の会の会員から寄せられたナガエノスギタケとアシナガヌメリの発生情報に基づいて、モグラの巣を発見し、モグラの生態を研究することに深入りした。国内での総調査個所数は73、総発掘回数は117(1976~2014)。「ここにきのこがあった」というだけの情報からどのような自然が見えたかを紹介したい。主な知見は、モグラにおける長期定住とその中での住者の交代、モグラ類(特にミズラモグラ)の新分布地、「排他的」とされる異種モグラ類の近接した居住・営巣、「平地に住む」と思われているコウベモグラの山地での生息、モグラ・きのこ・樹木3者の共棲関係-「生息地浄化共生」-など。外国での知見にもすこしふれる。
きのこ-モグラ学はささやかではあるが日本特産の学問であり、1976年9月26日、日本菌学会関西談話会(のちの関西菌類談話会)の採集会(京都・大文字山)において始まった。その会で、ナガエノスギタケとアシナガヌメリとが採集されたのである。その当時はナガエノスギタケダマシとナガエノスギタケとを混同していたという「幸い」もあり、きのこの下を掘ってモグラの巣に出会った。その後、主として関西菌類談話会および幼菌の会の会員から寄せられたナガエノスギタケとアシナガヌメリの発生情報に基づいて、モグラの巣を発見し、モグラの生態を研究することに深入りした。国内での総調査個所数は73、総発掘回数は117(1976~2014)。「ここにきのこがあった」というだけの情報からどのような自然が見えたかを紹介したい。主な知見は、モグラにおける長期定住とその中での住者の交代、モグラ類(特にミズラモグラ)の新分布地、「排他的」とされる異種モグラ類の近接した居住・営巣、「平地に住む」と思われているコウベモグラの山地での生息、モグラ・きのこ・樹木3者の共棲関係-「生息地浄化共生」-など。外国での知見にもすこしふれる。